ライバルへの思いと自立
水曜日の後半。POINTE Class.
今日はこのクラスで、中盤から涙をすする子がいました。
「悔しい」。
いろんなきもち。葛藤。焦り。行き詰まり。できない自分。
でも、彼女は大丈夫です。
この日誌でも何度か書きましたが、ポアントを履かせるペースはゆっくりです。履かせる年齢も他教室と比べたら、(もしかすると)大丈夫かしら?と思われるほど遅めです。
子どもたちの体の成長と足と共に進めています。
それでも実際に、足を痛めてしまった子もいました。いえ、痛めさせてしまった。これは私の責任でもあります。痛みにも気づいてあげられなかった。実際、彼女自身が痛みを隠しても履きたかった強い気持ちがあったから、痛みと治療も乗り越えてくれたと思います。そして、彼女の怪我でまた私も学び直したこともたくさんあります。
でも足に変化が見えるまで気づいてあげられなかったことは先生としてやっぱり、本来は避けたい。今だから書けますし、やっぱり彼女と彼女のママだから越えようとしてくださったことですが・・・正直、この子の一生を狂わせたら・・・と過ることもありました。
バレエをしていく中で、痛み・怪我や故障は付き物だったりもします。
でも、この先長い子どもたちです。
今でバレエを断たなくてはならないことだけは避けたい。
この先長く見て欲しい。
そう思っています。
一人ひとりペースは違います。一人ひとり長所も短所も違います。
言わなくても、このクラスの彼女たちは、自分自身がもうそれは理解している気がします。
でも、「子どもたちの成長」という結果が目に見えて伝わらなくては、先生としてもダメですからね。前に進めますよ。
今日、涙した子は自分の足の弱さに途中から怯み始めていました。とても珍しく!!です。彼女が後ろ向きなのはとっても珍しい。カクッて落ちてしまっても諦めることなんてなく前に前に進める子です。
最近、3rdの子がポアントデビューをして少し焦っていることは知っていました。なぜなら、彼女たちがとても綺麗に立てていたからです。ノートにもその心境は記されていました。
ですが、この子はそれすらもプラスに変えられるメンタルの強さはピカイチです。いつもならば。きちんと私の声が届くのです。
今日はトゥ先のことばかり気になり、プリエもアームスもボディも今まで直してきたことがヒッチャカメッチャカ。足先のマメがもしかしたら痛かったのかなとかも考えますが・・・そこは付き物のような経験なので越えてください。

レッスン最後まで珍しく自分自身を振り切ることができませんでした。最後の最後、もう一度落ち着いて気をつけるべきことを伝えました。
そして
できる。
それだけ。
振り絞ってやり直した彼女の動きは別人でした。
よかった。・・・ホッとしました。
レッスン終了のレベランス。
「ありがとうございました」の「あ」と声にした瞬間言葉にならないほどの大号泣。
顔をタオルに埋めて大泣き。
よく耐えたね。
こんな日もあるのよ。いっぱいある。
わかるんだよね。あなたの気持ち。
先生だって・・・そしてライバルだってね。
一緒にレッスンをしている子。ずっと仲の良い友でありライバル。(今日はいない3rdの子たちも同じく。)
今日はこのライバルの子が変わったんです。いつもは大抵この子の方が涙する側(笑)今日は、珍しく友が苦しそう。
気持ちがわかるから、自分のことのように響く。身が引き締まる。みるみる途中から変わりました。
正直、前半はこの子の方が冴えていなかったんです(なんだよもう・・・)
こういうとき、心配することだけがライバルのすることではないと思います。
心の奥底ではとても心配している。泣かないでって思っていることは伝わります。でも、今は違う。それも彼女もわかっています。レッスン時間に仲良しこよしの感覚は存在しないことも。だから、自分も変われるんです。
ライバル。
なんだかツンツンしているイメージでしょうか?
ライバル。
この存在は、自分を時に刺激し、時に支えてくれる。
痛みも喜びもわかるから友で居られる。
お互いに認め合えてる子どもたちの「心」はすでに自立していると私は感じることがあります。
大人になって、淀む気持ちも、曇る眼も子どもたちに磨いてもらっている私です。
やがて子どもたちの成長に追いつけなくても、いいかな。
なんて最近思います。
でもその時には、もっと心のゆとりある教師になっていたいそう思います。
だからまだまだ先のことかな
YUKI
